1st mini ALBUM『HELLO AGAIN』の全楽曲を、発売翌日より毎日6日間にわたりメンバー自ら解説していきます。
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※毎日21~23時頃当日分がアップされる予定です

大和撫子


「え、歌いたくないです」真っ先に出た言葉。歌詞に「ブス」って入ってる!嫌!(前作のライナーノーツもこんな始まりだったような。)

ちゃんと聴いてみると、歌詞の内容は自分にもかなり重なるところがあった。拗ねたりいじけたりすると、変わらなきゃなぁっていつも思う。共感しながら歌っているうちに、力を込めて「ブスじゃない」と歌うようになっていました。くっ、結局傑氏の思うツボ…!

でも最近は口角が上がってきたと言われることもあったり。楽しいとき楽しいっていうだけで可愛くなれるのかもしれない。素直、大事!

この曲、転調が2回もあるのでPOLTAの曲のなかでもかなりレンジが広い曲。私は地声と裏声の切り替えが苦手というか、そこはポジティブに特徴的だと捉えてるんですが
地声でなかなかこれできないと思います。苦しそうに叫んでる感じになるので好きです。

尾苗愛(Gu&Vo)

音楽的には結構意欲作というか、チャレンジな曲。
ゲス極とYESをザク切りで炒めて
ロキノンぽさを出そうと思ったら、
どっちかというとPlayer的な仕上がりに。
(今回リードギターを担当したbyn津田氏がB'zを敬愛していることも一因かと)

コード進行も展開も僕が今まであんまりやってこなかった感じのもので
転調2回するのは、カッとなってやった。
今も後悔はしていない。
(スタジオでなんか盛り上がって決まった)

この曲と3曲目の「こうじゃこうじゃ」くらいから
和也くんがガッツリ曲作りから参加したので
バンドらしい仕上がりというか
リズムが前面に出た感じになりました。
間奏のライド捌きは必聴です。

歌も結構ガッと突き抜けてて好きです。

歌詞は尾苗さんがずっと歌いたくないといってた曲。
無理もない。

歌詞についても長々かいたんだけど、なんというか、
こんな歌詞書かなきゃよかったみたいになったんで割愛。


本当は、「君はとっても可愛いくて素敵なんだから
そんな顔せずに、笑っておくれよ」
っていうのが正解なのはわかってんですよ、そりゃ。

傑(Ba&Vo)

エンドオブザワールド


「完成度は高いのに傑氏が歌うことで迷宮入りしそう」で、一部の方にお馴染みの傑デモ。

大体の場合、練習スタジオで私が歌ってみて「そうそう、そういう感じ」とか「うーん、ちょっと違う」とかやりとりを経て曲の良さを分かっていくことが多いのですが、エンドオブザワールドはスタジオで傑くんが弾き語った段階で「こ、これはネクストPOLTAだ…!」と確信しました。

はじめは相対性理論のとある曲に少し似ていてソフトに歌えて好きだったのですが、傑氏が「うーん」と、まだはっきりしない様子。曲のキーを上げてもいいかと聞かれ、すごく今がいいから上げるのを私はためらったのですが、試してみるとお腹に力を入れて歌えるようになり、一気に力強い曲に。「こっちだね」と、満場一致!

いい曲だなって、思います。希望を持とうとしている曲。HELLO AGAINという言葉にぴったりくる。

「まぐわいたい」は、歌い慣れてからググりました。

イントロのギターは、レコ発までにちゃんと弾けるよう練習します!!

尾苗愛(Gu&Vo)

今回のアルバムコンセプトをストレートに表した曲。コンパクトにまとまってて嫌いじゃないす。

前回のアルバムが出た後、「次はしっかりとしたコンセプトのあるものを出さなきゃいけないね。」という趣旨の話をよく当時のマネージャーM女史としていました。

当時僕が出していた案は「ワールドエンド」
英語の意味を「世界の終わり」と「世界の果て」で間違って解釈していたんですね。
ただ、それだけだと弱い、ということになって、「世界の終わりの少年少女」というのに変遷し、それもありがちってので、いったん止まって。今回の急なリリースでそこんとこもっかい掘り起こしたんですな。

まぁ、その当時のイメージが色濃く残った曲が、これなわけです。なもんで、この曲の仮タイトルは「ワールドエンド」でした。

曲そのものは、本当に今の正直な気持ちというか、僕の世界に対しての雑感をまとめた曲です。
世の中は平和になっていってるのに、火種を投げ込むやつがいたりとか、貧富の差による歪みとか、露骨に権力をふりかざす政治家だとか。力・金、そういったものが露骨になってきてると感じてまして。反吐が出ますな。
そういった現実を変えるアクションなんかも大事なんだけど、市井の民としての我々は、まず第一に腐らずに生きて行こうぜ!みたいな気持ちをしたためましたよ。

サウンドは、POLTA、ざっくりしたイメージでロキノンやってみる、の巻。歌謡曲ミーツ、ロキノン。
後半のサビでイントロのリズムに戻るのはスタジオでの和也くん案を即採用した結果です。このアレンジでイントロに意味が出てよかった。
この曲は、基本的なアレンジはツルッと僕が作ったので、前作でいう「遠くへ行きたい」に近いのかもしれません。
が、ドラム和也氏とギターbyn津田氏の手直し、尾苗さんの歌唱、でギュッと引き締まりましたね。バンドっぽい。

歌詞については、「まぐわいたい」なんて言葉を女性ボーカルに歌わせるなんて!という声をチラホラいただきました。

なんだよ、お前ら、ほんとは、そういうの好きだろ。

傑(Ba&Vo)

こうじゃこうじゃ


「死ぬ」って、できれば使いたくないなぁって思ったけど、この言葉でしか表現しようがない曲だってことは、聴いてすぐわかりました。

こうじゃこうじゃを歌ってるときは、女優みたいな気分になってる。だれかの一生や、自分の一生のことを思いながら、いつか来る終わりは、燃え尽きるように終われたらいいなと思ったり。

ライブで歌っているときは、今まさに生きてるそのときだと思いながら。今は一瞬で終わってしまう。

サビの自分の声は、まあまあ好きです。でももっと表現できるようになりたいなぁ。AメロBメロの低いところはちょっとバカっぽく、でも艶がある感じにしたくて。なかなか難しいです。

男女混声好きなんで、Cメロ、なかなかいいですよね。傑氏がレコーディングで唯一歌ったところだったんで「チミチミ、そうじゃないよ〜ちょっとフラットしてるね〜」とかプロデューサーぶりたかったんですが、なかなか上手かったので褒めるしかなかったです。

尾苗愛(Gu&Vo)

真面目なこと言うと、この曲は、僕のなかのライフワークというか、青春時代から続く創作への欲求そのものを歌った曲です。
よくある話ですが、思春期の頃に近しい人間を何人か立て続けに亡くしたことがあって、そこから僕の人生は表向きは何も変わってないんですが、生きる意味みたいなものはガラッと変わってしまいました。
生きるということは、動物として子孫へと何かバトンを繋ぐことなのか、それとも生を謳歌して何かにたどり着くことなのか。
享楽的に快楽を貪ることは本当に悪であるのか。勤勉の先にある死と、悪人の死には、何の差があるのか。未だ答えはでません。(もちろん犯罪を肯定する気は微塵もありませんし、品行方正な人を尊敬しています)
性的なものを覗き見したいという悪趣味と、性的なことを露悪的に表現しようとする姿勢は、生への疑問の露呈だと、自分のなかでは考えています。(ただの変態かもしれません)
話は創作へと戻って、上記した人生の転換期に、よくある話ですが、宗教的なものであったり、芸術的なものであったりに、自身のあり方の指針を見出そうとしました。しかしながら、元来、飽き性で底の浅い人間ですので、それぞれ軽く聞きかじったところで満足したりしました。その時にさらっといろいろ触れた中で、浄土真宗の偉い人、蓮如上人の「御文章」のなかの、「白骨の章」にいたく感銘を受けました。
この曲は、そうした紆余曲折の成果物です。
ネットスラングを使ったのも、熊本弁をつかったのも、藤子不二雄A先生のまんが道の続編「愛しりそめし頃に」を歌詞にそのまま引用したのもそういうことです。
あまりみなさまに伝わっている気もしないのですが、僕はこの曲が書けて、本当に良かったと感じています。
一緒に作ってくれた方みんなに心から感謝しています。

尾苗さんのもらって読んだんですが、僕との温度差がすごいですね。

傑(Ba&Vo)

キルト


この曲は実は2008年頃にデモが出来上がってました。デモの段階で当時のメンバーからも評判が良くてずっとやりたかったのですが、なかなか歌詞がうまくのらず、何年も保留になっていました。急遽ミニアルバムリリースが決まり、この曲はどうしても入れたくて短い締め切りの中書きました。E♭の、このあたたかみのある雰囲気を壊さないように何度も書き直したので、今までで一番集中して考えた歌詞かもしれません。

好きな小説家の対談で「助けにいく人が強いとよくない」ということが書いてあったのをずっと覚えていて。古いものを修繕するとき、例えば文化財などに後から新しい布を足すときに、布が新しすぎると元の布を傷めてしまうことになる。

思慮深く経験を経てきた柔らかい「君」、耳を塞いでやりすごしてきた経験の少ない、しなやかじゃない「僕」。助けたくてもむしろ傷つけることになる。

新品のままで経験が浅いと相手の気持ちを理解できない。全部は分からなくても想像していける人になりたいなと思い、書きました。

話は少しズレてしまうかもしれないけど、悲惨なニュースが起きる度に加害者が信じられないってツイートは見かけるし、素直な感想だな、って思う。でも背景や、その人がどうしてそうなったのか、いつも想像していたいと思う。それが自分にとって、地獄の中でのハロー、なのかなと思っています。

この曲は、GAGAKIRISE吉澤さんとかなりいろいろぶつかりながら?作りました。そこはまた後日のインタビューで話します。(笑)

コーラスを相模原のvelvet room studioで録らせていただいたのですが「歌詞に乃木坂感ありますね(笑)」って言われて、初めて気付きました。たしかに!無意識でした。

尾苗愛(Gu&Vo)

この曲、実は「新世界」の時期に一緒に尾苗さんが持ってきてたデモであり、
ファウンテンズオブウェインに色濃く影響を受けたりなど、なかなか良いところ突くではないの。という曲でありました。
タワレコの特典デモは、旧POLTAで録音したやつで、僕が当時オークションで手に入れたオムニコードが使われています。
そのオムニコードはアユトーキョーこと東風くんに貸したまま帰ってこないので、あげてしまいました。結構高かったんだよ。
まぁ、それはさて置き、今回のアレンジはGAGAKIRISE吉澤さんのピアノとギターで、良いインディー感と爽やかさ出て良かったなー。
ベースとドラムは土壇場まで決まらなくてハラハラしました。特にベースは面白いことしていないので、ライブではコーラスやらざるをえないな、と今から憂鬱です。

傑(Ba&Vo)

ロビタ


この曲も随分長い付き合いの曲になったな。「遠くへ行きたい」と同じ時期に傑くんが書いた曲。

実は前に一度レコーディング済みなので、ライブ会場限定で販売もしてました。今回はもちろん新録。前よりもBPMも早く、曲のテンションも上がりました。ライブではお馴染みの曲になってて、イントロが始まると盛り上がるし、私も気分が上がる。

アウトロはライブではRATを踏んでめちゃくちゃに弾いてるんだけど、あの瞬間すごく楽しい。普段、初対面の人に音楽やってるって言ってもまずシンガーソングライターか、クラシックかどちらかに見えるみたいで、ロックバンドやってるようには見えないみたい。ロビタのイントロとアウトロは、本来の自分が出てきてすごく気持ちいい。

この曲は、ギターが下手な私でも、かっこよく聴こえるように、傑くんがギターをアレンジしてくれてます。
歌い方だって、ギターのフレーズだって、私のできることにいつも合わせてくれている。
もっと出来ることを増やして、傑くんが自由に創作できるようにしたいなぁと、思います。

尾苗愛(Gu&Vo)

今回の中で唯一の既発曲です。
2010年位からやったりやらなかったりしてきた曲です。POLTAが二人になった一番始め頃に一度MVも作ったりもした想い出の曲です。

当時は相対性理論の華やかなりし頃で、まぁ、僕らも乗っかって一発かましたろう、みたいな感じだったんですが、全然でした。
この曲は「ミス・パラレルワールド」をベンチマークに作ったので、サビを聴き比べると面白いと思います。

レパートリーが固定化してしまった頃に賑やかしとして再びやり始めて、ドラムが和也氏になったことで、ガッチリハマったというか、しっくり来たので、なんとなくレギュラーに帰ってきたやつです。漫画でもそういうキャラいますよね。

歌詞は、ロビタですね。神よ、救いたまえ、ですね。尾苗さんってロボットみたいでしょ。だからピッタリかなって思ってそういう歌詞にしました。初期2人POLTAは恋の歌が多いです。(1枚目のギルティなど)

あ、そうそう、今回、最後のサビの転調後のメロディを変えました。尾苗さんが。勝手に。いや、正確に言うと、ライブでは既に変えたもので歌っていたそうです。

勝手にセリフ追加して怒られた歌手に教えてあげたい、作曲者よりも歌い手のほうがヒエラルキーが上のバンド、どうもPOLTAです。

傑(Ba&Vo)



「春が過ぎても」という言葉に凝縮されています。春がすぎ「ても」。

自分の話になりますが、上京した頃は「今年は飛躍の年だね」と言われる年が続きました。期待もされていたと思うし、若かったので可能性も感じてもらえてたと思います。(毎年言われる、ということは、前年に飛躍できてないということなのですが…)

自分の至らなさで一度POLTAはメンバーが全員抜けてしまい、リリースを予定していたはずが流れてしまいました。いただいた愛情のあるアドバイスまではねのけて、自分を通しすぎたなと、今なら思います。自分はなかなか変わることができず、そんな時期が長く続いてしまいました。

休日に布団の中で動画を見たり すると、自分の春はもう終わってしまったのだと感じることがよくあります。わたしは女性アイドルが好きなので、10代の子が一生懸命になっている姿を見たり、マシュマロみたいな肌を見ると、取り戻せない時間のことを思います。

誰にでも自分の旬や、若い頃や、輝いていたときを思い出して、寂しくなることがあると思うのです。年をとれば経験が増える分、思い返すことも増えるかもしれません。

それでも人生は続いていく。じゃあ、春がすぎて、散って枯れて生きていくのかって考えたとき、いつまでも昔話をしているのも、それはそれで楽しいけど。

着替えて、布団から出て、外に出ることで、いまとは違う新しい気持ちに会えるかもしれない。
ふりしぼって、またステージに立つこ とで見れる景色があるかもしれない。
そもそも、その時期を春だって決めてたのは、自分。

「旬」を過ぎたと感じたひとと、語り合いたい。

めちゃくちゃ推敲してこの文章作ったけど、結局は歌詞を聴いてほしい!

おばあちゃんになったら、振り返ってお茶をすするのもいいなぁ、と思うけどね。


音楽的な側面の話をすると、もともとはパワーポップぽい曲でした。パワーポップ大好きなんですよ…
でも、今回GAGAKIRISEの吉澤さんに編曲をお願いする中で、パワーポップ感は早いうちにばっさり斬られました(笑)
最終的にピアノアレンジがこの上なく合い、とくに後半の展開はコード感が強く出てて最高です。吉澤さんにお願いしてほんとによかった。
あと、サビの2つ目のコ ード「G#sus4」をレコーディングのときにひらめいたときは、自分の中の音楽熱が燃え上がりすぎて、めちゃくちゃ楽しかったです。すごい高揚感。やっぱり私音楽好きだ。

尾苗愛(Gu&Vo)

不思議ですね。
今回も最後の曲が、また始まりの歌になりました。優しく、情けなく、再び立ち上がるための肩を貸してくれる、そういう曲です。
些細なことで心が折れて激高したり号泣したり忙しい尾苗さん自身のための応援歌なのかもしれないです。
(去年アルバムを出して、思ったよりも売れなくて落ち込んだり、マネージャーさんが辞めたり、今回のミニアルバムも、そもそも出来上がるのか怪しいスケジュールでのスタートで、トラブルも頻発したりと、僕自身いつ心が折れてもおかしくない1年だったので、余計にそう思うのかな。)
POLTAの二人は、未練がましくダラダラと音楽を続けてきましたが、この歳になって、新しい扉を開くような曲をお互いが書けたっていうことにとても意味を感じています。僕は曲を書いても、コードを取るのにすごく時間かかったり、伝えるのに苦労して挫折してばかりだし(タワレコ特典のデモを聴いてみてね!)、尾苗さんは一年に一曲ペースでしかバンドの曲を書かないし(人様の曲はバンバン書くのでご依頼お待ちしております!)、なんというか商業ベースでの活動が厳しい僕たちでありましたが、今は、良い曲バンバン書いてガンガンいけそうな、そんな予感がしています。
あまりこういうこと言いたくないほうなんですが・・・・これからのPOLTAに期待してほしい!

傑(Ba&Vo)

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